多くの家庭の「父子問題」を観ていると、その問題の原因が 多くは 父親側にあるように思える。
それは 私のような仕事(メンタルカウンセラー・エグゼクティブコーチ)をしている立場から観ると そのような問題を解決せずに 無視していては 該当する家庭内でのお互いの成長や安らぎを得る事が出来ないばかりでは無く、事業を経営している家庭では その事業の継続に関しても 重大な困難を引き起こす事になる。
子供側が 人間としての真の自立を勝ち取り、主体的な行動を行うようになるには 父親が、「俺の子供は俺のモノ」という「見当違い」な考え方の誤りに気付いてもらうしか、解決方法はない。
特に、中小企業の中でも 創業者の社長は、創業期の血の滲むような苦労と奮闘を経て、現在の地位を占め、それでもなお、この時代の経済と経営に真っ向から立ち向かっている。
誠に気を抜くことの出来ない「生存競争」に、常時直面してきた。
この世界を生き抜いてきた これらの社長さん方は、その生き様に対して絶大な自信を持ち、部下に対しても、又家庭に対しても「指示・命令」を出し続ける事に、何の疑問を持つことはなかった。
その気持ちのまま、それらの社長さん方は、家庭内で子供らの「反抗期・成長期」を迎えて
しまう。
養われている上に 絶大な「権威」と「迫力」のある「父親」に抵抗出来る「中・高校生」はいない。社長である父親は、まだ未熟な、成長期の息子の 「不満」を「反抗」ととらえ、「意見する事」を「未熟な考え」と一蹴する。
その上 日頃、忙しいので、お互いの日常の過ごし方・考えを理解出来ていない。
人間の「発達段階」の 一番の難所に当たる 青年の「反抗期」におけるこの「父子」の衝突は、親側の、ゆとりを持った対応でしか解決は出来ない。
しかし、経営維持の為に 経済社会の中で全面戦争中の父親にそのゆとりを持ってもらう事はなかなか難しい。
だから 社長は 自分の会社運営のように、何事も思い通りにさせる、思い通りに動かす。
自分の思い通りに動かないのは「成長」しない息子としか思わない。
ましてや、今奮闘中の事業を「俺のモノ」と考えている男に、「自分の子供は俺のモノ」は
間違いだぞ! と言っても通じない。
「事業」も「子供」も 本来社会からの「預かりもの」。
どちらも 死んだら あの世に持っていけるのか?
「事業」を個人の利益追求に利用する考えと行動は、次第に通用しなくなっている。
企業理念に 社会貢献の考え方を採用し、真剣にその理念を自覚し、追求する企業が
本物の「グッドカンパニー」に変質出来る。
「消費者」の購買行動・購買判断は次第に厳しさを増している。
そして 経営の「本質」を 見抜こうとしている。
良い経営理念で行動する企業に所属する社員、そしてその企業の製品を買う消費者も
安心だ。 社員も経営者も成長出来る会社が本物である。
「子育て」にも 社会に有用な 次代の人材を育成するという 「社会意識」が必要だろう。
生み、育てた子供は、自分だけの「モノ」ではない。
不十分な「自意識」や「利己主義」だけで 世の中に通用する訳では無い。
厳しい経済環境だからこそ、人々は、本物を見抜く力を身に付けてくる。
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