まことに身近な ・俳壇・ の中から。
さくらさくらさくらさくら万の死者 大船渡 桃心地
生き抜いてゆく決心の 卒業歌 岸和田 谷 紀
沖深く 津波(ヨダ)の帰れる海の春 東 京 古川かふじ
死は哀し 生くるも悲し この春は 志布志 小村 豊一郎
黙々と 瓦礫を運び 卒業す 多 摩 田中 久幸
一輌の 炬燵電車の さらはるる 久 慈 和城 弘志
これらは 日経新聞 11年4月24日付け <俳壇>より
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これだけの「大惨事」に直面して、私でも少しは感情が高まり、「短歌・詩」の類は
「湯水のように噴出してくるだろう」と、自分の感性に気をやり、1ヶ月も待っていたが、
ほとんど 何も出てこない。
一応「歌人」を自認する私は、まことに情けない気分を味わった。
「天」から授かった「才」でもあるとうぬぼれていた事が、音を立てて崩れた。
無理して ひねり出した「作品」が、人様に 感動を与える筈もない。
メンタルをサポートするカウンセラーの個人参加型の被災者ケア組織を立ち上げ、様々な「気づき」を受け留めていた時期にも重なり、逆に「被災者様」の気持になり切れなかった自分がいたのだろう。
この部分も あまり誉められたものではない。 要するに一つの事に目配りをしていると 他の事がかなり手薄になる。この部分はやむを得ない自分の能力の限界でもある。
そこへ、今月24日 日経「俳壇」に出会った。 素直な表現なのに、出現した悲しみを 心にそくそくと訴えてくる。 これが「詩・歌」の力、感情表現だ!と思った。
素直な気持ちで、感情の高まりを捉え、感性の渦に 身を投じてみたい!
ちなみに 今 無理してひねり出した、歌を一つ。
「 こうなれば <福>となるよう 歩を進む
明日への期待 胸に秘めつつ 」
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