河北新報 12-01-30付け 「春秋」欄より
就職活動で 複数の企業から内定を手にする学生を「内定ゲッター」と呼ぶそうだ。
その一方で、卒業間際まで 就職先探しに奔走する学生がいる。
自己PRの書き方に、就職面接の「想定問答」。
そうした型にはまった「技術」とは 別の【鍵】が 道を分ける。
近著「世代論のワナ」で そう説くのは、人材育成コンサルタントの山本直人氏だ。
【鍵】の一つが親。
「内定ゲッター」や優秀な若手社員は皆、伸びやか。
その人柄は <親>が<子>に 過度なダメだし、つまり欠点の指摘をせず、信頼して
育てた結果だとみる。
子を信じるには 親に自信が要る。
自信有る親から 自信に満ちた子が巣立つ。
こうして目に見えない「自信の相続」が 進行中だと山本氏。
窮屈な環境で育った子には 本来、大学3年生の1年間が 逆転の好機だった。
しかし 研究・サークル運営・留学 等により 自力で自信を付ける時期なの、貴重な
1年間が 近年では「就職活動」でつぶれ、「入学時の自信」の過多が、そのまま就職の
明暗まで 左右するようになったと分析する。
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定時制「高校生」の就職支援活動を、昨年前半の時期に 経験した私にとって、
上記の「自信の相続」の指摘は、恐ろしいほど「正鵠」を得ていて、グーの根も出ない。
求人開拓で訪問した 何処の企業も、一致して 「コミュニケーション能力」や「積極性」
そして「明るさ」を 採用の優先条件としていた。
結局 親の子供への「接し方」、親の自分への「自信」が、子供の将来に 大きく影響
していて、その「連鎖」を 「自信の相続」と表現しているのだ。
家庭の「教育力」は、子供への「小手先の対応」等ではなく、親の「生き抜く根性」や
「生き様」そしてどんな「信念」を持っているかに掛かっているのだろう。
従事している仕事は 様々であっても、「子供側」からの話を素直に、真剣に聞く姿勢を
持つ親であれば、子供が「横道に逸れる」事は、あり得ないし、親との会話の中でこそ、
己の将来に 確固とした自信を持つことが出来る様になるのではないか?
ただし、家庭における「親」と同じく、学校における「教師」も、まったく同じ立場にある。
「教師」である以前に「人間として自信溢れる人物」で有るに越したことは無い。
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