作家「村上 龍」氏が 海外向けに書いた文章の中に、深く共感出来る表現がありましたので、御紹介します。 ・・・・・
平野秀典「感動を生みだす表現力の魔法」VOL385より
<村上氏> 私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチをする場面が
ある。
この国には 何でもある。
本当にいろいろなものがあります。
だが、「希望」だけがない」 と。
今は 逆の事が起きている。
避難所では 食料、水、薬品不足が深刻化している。
東京も物や電力が不足している。
生活そのものが脅かされており、
政府や電力会社は 対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得た物は、「希望」だ。
大地震と津波は、私たちの仲間と資源を
一部では 根こそぎに奪い去った
だが、富に心を奪われていた我々のなかに
「希望」の種を植え付けた。
だから私は信じて行く。
日本が得たもの。 希望。
新しい未来を創るための試練。
生き残った者、当事者として体験した者には、
その使命が与えられたとしか 私には思えません。
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まだ 私は 共に「津波」に襲われた「若林区六郷地区農作地」や「多賀城市栄地区
工場団地」程しか、現地を確認出来ていないが、その惨状を言葉にする能力は持ち合わせてはいない。
すざましい自然の力のあり様に、人間の「文明の薄っぺらさ」が強く印象付けられた」
思いがある。
この農業生産の重い位置づけと 工業製品の「精密からなる技術の集積によって、
やっと維持されていた微妙なバランスは、該当する農家や経営者・技術者の絶え間のない努力で ようやく成り立っていた事が 痛切に感じとれた。
「俺の年齢では 再投資 する気力はでてこない。多額の借金を返し終わる
には時間が間に合わない。」 とつぶやく社長さんがいる。
この日本の産業基盤を コツコツと整え、そして「食料生産」や「製品生産」の最先端
を担ってきた当事者の苦衷は、どの様に理解し、共感し、協働の行動を広げればいいのだろうか?
将来 日本の「産業構造」が、より適正な形に収れんされて行くのは間違いないが、
日本の置かれている環境のなかでは、大枠的には<劇的な>変化はあり得ないだろう。 今まででさえ、日本人はいかなる場面でも「工夫・改善」を続けてきた。
100の改善は、一つの「独創」さえ稜駕する。
この狭い国土で、 世界に「冠」たる産業立国を構築した日本である。
これからは、単なる「効率化」・「生産性」アップなどの指標を目安にしてはならない。
コーチとして 今までも「従業員満足」~「顧客満足」の提案をしてきた。
「満足度」指数。
関連する、全ての人々の満足度をより重視した「企業施策」とその実行が
結局は その事業・企業の長寿と繁栄の根拠となるに違いない。
そこにこそ 人類最大の願望である「千年王国」の礎がある。
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