私は ここ数年 「うつ病」の方 幾人かのカウンセリング面談の中で、何故 この<病気>が こうも 「現代の日本社会」で増大しているのか?不思議でならなかった。
世界的に見ても 罹病者は増え続けている。 この有様を知り、私は心底 より
科学的な深い研究・検討が世界の精神医学会で どうしても必要だと感じていた。
そして うつキャリアの方の対応の為にも、私は うつ関連著作・文書は、積極的に読んでいる。
最近 著名な「精神科医」=斉藤 環氏の著作シリーズで、私が読んだ第6冊目の本 「社会的うつ病」の治し方 ~人間関係をどう見直すか~ 新潮選書 には
「人薬」(ひとぐすり)という処方箋というサブタイトルがあり、私はその「人薬」の文字に
目が釘付けになり、「アマゾン」で至急購入した。
この本は 想像通り、「薬」や「休養」ばかりでは無く、人と人との間の関係を重視する治療方法で、「レジリアンス」という、精神医学界で、近年よく言われるようになった
概念で精神医学的に「こころの強さ」を示す上で、最も適当だはないかと、著者は考えている「言葉」がでてくる。
この著作から 内容の一部を ご紹介します。
「レジリアンス」は、【ある程度の脅威や厳しい悪条件においても、それを乗り越えて
行くために機能する能力、上手く適応するプロセス、あるいは帰着】などと定義されています。 また、レジリアンスに影響を与える保護因子としては、例えば、性格特性、
自尊心の高さ等の個人要因、家族の凝縮性や温かさ、肯定的な親子関係などの家族要因、友人や教師からのサポート、学校での肯定的な経験等の社会的環境要因があるとされます。
これを研究している学者によると、これらの【リソース】を十分に備えている人は、リスク状況に対し、建設的に適応出来る、つまり、「レジリアンス」を高められると言われているのです。
① 他者との持続的なパートナーシップがある
② 自責的なならない自己寛容さがある
③ 病気に対してポジティブな意味付けが出来ている
これらは いずれもそのまま、個人の「レジリアンス」を高めるであろう事は 容易にこ
想像出来ます。
これを 言い換えるなら、よりバランスのとれた「自分を大切にする技術」の獲得の事でもあります。 幼稚な自己中心性だけでは、社会に適応出来ません。 他者を
配慮しつつ 自分も生かすような、成熟した自己愛のありようが重要なのです。
鬱病の「レジリアンス」を検討するほど、望ましい心理的なモデルとは、
より安定した、高い成長可能性を秘めた「自己愛」を持つことのようです。
柔軟性、ポジティビテイ、自己コントロール感、客観性、目的指向性などの要素も、
健康な自己愛を維持していく上では 欠かせないものばかりです。
うつ病の再発を繰り返すか否かは、この点の違いがかなりはっきりしています。
再発を繰り返す人は、何らかの原因で傷ついた自己愛の修復が上手く行っていない。
具体的には、ある特定の目標に対する固執をあきらめないこと。
余裕を削るような形でしか 努力出来ないこと。
対人関係が少なくて、自分を受容し 支援してくれるような人的なリソースに乏しい事
等が挙げられるでしょう。
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本日は 「人薬」からの引用は ここまでとします。
ただし 日頃 カウンセリング・セッションの中で、漠然としてはいても、上記のように
感じる場面は 多々あつたように思う。
個人的には 「気付く力」 「前向き指向」 「あきらめない感覚」 「一歩踏み出した事で、新しい展開を感じる」 「難しさをおそれるより、取り組まない事への不満感」 「同じ所に留まっていられないうずき感」 「他人と違うことを考え、行う事の楽しさ感」
等 多分 誰にでもあるこのような感覚は 今後も大事にしていきたいと考えている。
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