「ゆとり教育はしない」 敗軍の将である、男子柔道・篠原信一監督の 就任時の
この言葉にすべてが 凝縮されている。
篠原監督の最大の弱点である、「ガンバリズム」だけに頼る精神論は、完全に<柔道界>でも、時代遅れになっている事を 白日の下に晒け出した。
元々「ゆとり教育」なる言葉は、義務教育課程下での、現行の「教育成果」を どのように挙げて行くか?の実践と苦闘の中で 案出された「言葉」である。
それを 単なる練習に駆り立てる「スローガン」に利用するだけでは、「戦略性」と「勝ち抜くための彼我の分析」の不足と「本物のメンタリティー支援」からは、程遠いものと
断定せざるを得ない。
監督本人の成功体験である「頑張り」は、確かに 本人を柔道界では、一定の地歩を固めるのには役だったが、それを 自分以外のどの階級の選手にも当てはめてしまっては、勝てる試合も 勝てなくなる。
以下 8月4日付け 河北新報より
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2008年11月に就任した日本男子柔道の篠原信一監督は、「ゆとり教育はしない」
と宣言し、練習量を一気に増やした。
全柔連によると、ロンドン五輪前年の強化合宿は 年間17回。これは北京五輪前の
10回、アテネ五輪前の7回に比べると格段の多さ。
さらに今年は 7月までに11回も実施し、代表選手からは「合宿で追い込まれて、技の研究ができない」と悲鳴が上がり、実業団や大学の指導者は「怪我を治す時間もない」と不満を漏らした。
本番直前の6月下旬から一週間おきに 東京・大阪で三週連続合宿を敢行。
まじめで 責任感の強い穴井選手は さらにその一週間前から 篠原監督と大阪に
出稽古を重ねた。
ある代表選手は「合宿漬けはおかしい。疲れが抜けず、対戦相手を研究する時間も
少ない。五輪で金をとるどころではない」と首脳陣を批判し、同じ意見が相次いだ。
技術的な指導が乏しく、精神論に頼る篠原監督の求心力は低く、選手のモチベーションは 低いまま。 戦う集団ではなかった。
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どのスポーツ分野でも、科学的なデータを重視した指導が当たり前の時代になり
監督、コーチが 変われないのであれば、問題は その上にあることになる。
なぜ 誰が 篠原氏を日本柔道男子監督にしたのか? 篠原氏を適任とした
根拠は何か? まさか そこには 選任者の「私情」が 介在していなかったのか?
私の私見を述べれば、篠原氏の持つ雰囲気は 決して緻密な分析の出来る器では
なく、「力業」を得意とする人材である。 練習は 人一倍こなしてきた選手ではある。
だから その練習<合宿>しか 指導方法を知らないのだ。
まして 日本が 今後も 世界の柔道界のリーダーであろうとすればより緻密な
総合的な分析の出来る人物を 指導者にしなければならないだろう。
柔道の「実力」よりも むしろ マネージメントの分かる人物が必要なのだ。
経営そのものも同じ。脱皮が出来、自己変革が出来た企業だけが「勝者」になる。
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