一体 製造工業立国の経済力と 流通・金融立国の経済力を対比した場合、どちらが 本物の経済力を持っているのだろうか?
分かり易く「日本」と「米国」との対比と 例えても存外 あまりかけ離れた
「想定」とは、非難されないだろう。
但し、厳密な経済指標上や、社会経済の厳密な分析上の確認はしていないが、これまでに 我々ビジネスマンが、日本の経済紙や経済雑誌上の記事で
読み拾っている知識での判断からの 日米対比の「想定」である。
経済規模やDNP上の数値では、明らかに「米国」が世界第一位であり、
最近迄 世界第二位であった日本のDNP規模は、中国に抜かれた、との報道が まだ我々には耳新しい。
さて そこで私は 本物の経済力とは 何だろうか?という疑問を抱いた。
「物」の売り買いの規模も「DNP」に 換算されるのであれば、単に人口と、
商品の流通量が多ければ、DNPは膨れ上がるだろう。
また、同じように「国債」や「抵当証券」の売買額が多ければ、DNPが拡大
するというのであれば、世界中から、資金をかき集めている「米国金融機関」の取引額は膨大なものになる。
昨今、米国は金融資本主義下にあるといわれる状況の中では、必然的に
「金融工学」が幅を広げ、ほんの一部の者にしか分からない〈金融機関の取締役でさえ理解できないという>「仕組み」を操り、レバレッジを効かせ、用意した
「資金」の何十倍の金額を操作する状況が出現した。
米国の国際的な規模の金融機関(銀行・証券会社など)は
当時の世界的な「低金利」の時代に、サブプライム・ローン〈住宅抵当証券>という、返済能力の低い、低所得者宛の「住宅ローン」(従って、貸付金利は高い)を、他の固い しかし、金利の低い「証券」に潜りこませ、全世界にばらまいた。
このような「経済行為」は、どこかで「付加価値」を生んでいるのだろうか?
明らかに、なにも生んではいない。そればかりか そのサブプライム・ローンの値下がりと破綻で、その後、世界各国の多くの金融機関に、致命的な打撃を与えた。
その額が巨大過ぎて、自国の銀行・証券会社を守るために、各国政府は 国の資金の多くを 自国の金融機関に注ぎ込む事になる。
金額のケタは「京」。 兆の一万倍の不良債権額である。
この結果が、現在最大の経済問題である「ソリブン危機」に続くのである。
<ソリブン危機=予算規模上対応しきれない国の国際的な債務不履行の危機>
日本の金融機関も、その危険を見抜けず、ヨーロッパなどの他国よりは、購入金額は少なかったが、大きな損害を被っている。
一方、製造工業立国の日本は、その優れた「技術と良質な労働力」で原料輸入・製品加工製造の比重がまだ高い。
その結果、ものを製造・生産する事で、たくさんの「付加価値」を生み出している。
一国の「食料自給率」低迷もそうだが、ものを創り出すことでの「付加価値」の創出が失われる事は、まるで「浮き根草」稼業に入り込むことになり、自国の国民を守る事にはならない。
むしろ、この「付加価値」を創出し続けている事が、真の意味で国際的な
日本への信頼を生み、「円高」の原因になっているに違いない。
「金融工学」のからくりは、実は単純だ!
誰かが「得をすれば」、誰かが「損をする」 いわゆる「ゼロ=サム」の世界なのだ。 決して「付加価値」を生んではいないが、名目的にはDNPの膨張だ。
これは、仕掛けの貧弱な「マジック」のようなものだ。
国家の真の実力・パワーは、やはり「物の生産」と「文化力」にあると思う。
「オバマ」大統領の「清廉な理念」をもってしても、歪んでしまった米国の経済
の立て直しは、もはや不可能だろう。
サービス・流通が中心の経済は、「付加価値」を創り出せない。
もっとも「剰余価値」?なる考えも、世間にはあるそうだが、私にはよくは分からない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。