12.5.25付けの河北新報の一面トップ記事は、
大気放出90万テラベクトル 昨年3月推計
福島第一原発事故放射性物資データを東電が公表した。 保安院発表の倍であった。
これからも、当時の東京電力や政府の事故事実に対する公表の結果以外に、沢山の
「新事実」が出てくる可能性が 強い。
事故後の一年間位では、排出されたすべての「放射能の総量」やその「影響」そして「事故の経緯」と、今後、事故が再発した場合の対策を完全に把握する事は 恐らく不可能だろう。
当時 意識的に「隠蔽」された「データ」は、これからも 「新事実」として まだまだ出てくる筈だ。 だから 事故後1年で、原発を再稼働するとか、即時 全面廃止する、という意見は、判断そのものが「時期尚早」なのだ。
勿論 放射能の本質的な<危険>や<恐ろしさ>を警告する良心的な学者の意見を
無視するのではなく、現時点に於ける真っ当な「科学的な検証」も出来ていない、むしろ
しない、電力会社や御用学者の言説の信憑性も、信じる訳にはいかない。
そこで 私=徳島の「原子力発電」への考え方は、次の通りだ。
日本では 今後3年間位は 今回の福島原発事故の検証に当て、米国が持つ、日本で戦後収集した、広島・長崎の原爆被害の状況の把握と、当時から米国が想定している
放射能対策の全貌、そして また「チェルノブイリ原発事故」へのロシア政府の対応した
<全データ>の収集を、米露の政府に依頼して集め、その他原子炉や 核兵器を持つ世界中の国々の放射能対策やデータをすべて、我国の福島県に集め、今後の世界規模の、
≪ 全世界放射能対策センター ≫を創設すべきだと 提案したい。
この「世界センター」での検証を待ち、放射能事故を完全に阻止出来る「仕組み」を作り
あげてこそ 原発再稼働の「工程表」が検討出来るのだ。
今のままでの日本政府、原子力保安院、各電力会社などの対策や方針は、あまりにも
目先の行動であり、放っておけば、目先の利害だけを強調し、国家百年、いや1万年の
人類の「利害」を無視しているとしか見えない。
大震災後の 今だからこそ、人類は 地球上のすべての「生命」と、これからの未来に責任を持ち、この「いのち」あふれる、奇跡の「星」を守り・育てなくてはならない。
一方、現在、中国や 米国で、莫大な量の「シエールガス」の発見が報道されている。
だが、この新しい「エネルギー資源」とは言え、現在の地球上のおびただしいエネルギー
消費量を見れば、この資源が100年間 持つとは思えない。
100年後のエネルギーは、やはり「原子力」に頼るしかないのだろう。
勿論≪ウラン≫も有限だ。
従って 短絡に「核燃料サイクル事業」廃止すべきだ。との声も有るが、再利用出来る
プルトニウムも、有力な資源の一つなのだ。
国家の生存戦略上、この部分も、目先の感情論で 判断すべき事柄ではない。
いずれにせよ、他国に先駆けて、放射能の無害化か、放射能被害のない原発の
開発に、原子力科学者を投入すべきだろう。
この方針こそ、意気消沈した原子力科学者の意欲を引き出し、人類にとって 安全な
「原発」開発の「理念」となり、資源の乏しい日本の有力な「輸出技術」になるだろう。
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