3.11震災以降の、人々の考え方の変化について、色々 雑誌やマスコミに論評されているが、私自身では もう一つ掴みきれない部分があり、自分が少し「涙もろく」なった事以外は、なぜか 事態を把握する事が出来なかった。
ところが、今月1日付けの「日本経済新聞」30面のクロスメディア広告に
「Beingの消費」主役に
と言うタイトルで、小阪 祐司氏の「寄稿」が掲載された。
この方は、<オラクルひと・しくみ研究所代表>という立場で、主に小売店分野での「店頭」での販売促進を指導されていてる。
私もある企業の「顧客の信者化」の「テーマ」で社内講師を務める時に、氏の
「著作」の確かさと、お持ちの「感性」に感動し、作成した「パワーポイント資料」には相当活用させて戴いた。
私の捉えている範囲では、消費者の感性や心理に基づく店舗経営を指導され、深く・高い意味でのトレンディーな感覚に優れておられる方である。
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「小阪 祐司」氏はいう。 来年は、店舗経営に於いては、選択を迫られる年になるだろう。 ここで言う「選択」とは、 家具店や食品スーパーといった
業種・業態を選ぶ事ではない。
「生活必需品を便利に提供する店」なのか?
「人生の充実を支援する店」なのか?
店のスタンスを明確化しなければならない という意味だ。
この選択はネガティブなものではない。 むしろ新たな可能性の選択である。
新たな時代の消費者の待ち望む、新たな消費生活がそこにある。 そこには
明るい展望が開けているのである。
その背景には、消費者の価値観の大きな変化がある。
国民意識調査における「物の豊かさを求めるのか? 心の豊かさを求めるのか?」という問いかけである。
明らかに、それは 高度経済成長期から1980年代までは拮抗していたが、
80年代ごろを皮切りに、急速に「心の豊かさ」を重視する人が増加し、いまや
6割を超える。 この変化は 日本だけではなく、消費先進国では世界的な
傾向だ。
心理学には 「having」「doing」「being」という3っの概念がある。
[having] は 所有
[doing] は 行動
[being] は 「いかに生きるか」という精神的なものを表す。
人間の消費欲求は この3っを段階的に進む。
ある程度モノが行き渡り、その生活に慣れると、欲求は「having]/「doing」から
「being」に向かう。
これからは 此処に消費価値を置く消費=「beingの消費」が主役になるだろう。それに伴って、店舗経営も、何を扱うかも 変ってくる。
ここで間違えてはいけないことは、「beingの消費とは、モノが売れない」ということではないことだ。
私の知る専門店でも、「being」の消費につなげている店では、「呉服店」では
若い世代の新規客が増えている。その店では、若い世代の顧客が積極的に
和装を学び、より呉服を購入するようになっている。
また、ある家具店では玄関マットであっても 一枚数十万円もする高級絨毯
が、ワンルームマンションの住人にまで良く売れている。 顧客によると、この
絨毯が幸せな気持ちをもたらしてくれるそうだ。
更に、ある地方都市に 甘酒の専門店を出店したところ、成功しているが、
来店客に尋ねると、ここには心の豊かさがあり、、同店の「ミッション」を応援していると言う。
消費者は、限られた「時間」や「財布の中身」を、「生活必需品」と「being」に
どのように配分するかは一層シビアになるので、中途半端な店は選ばれないだろう。そうならない為に、自店のスタンスを明確にしていく必要がある。
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以上が、「小阪 祐司」氏の「寄稿文の論旨」の概略である。
{CVS」に代表される「便宜性」=「生活必需品を便利に提供する」パワーは、既におおくの方が御存知だが、一方に「人生の充実を支援する店」を考える時、この「必要性」は、単なる「店」だけなのか?と思う。
この後に続く考え方は、あくまでも「我田引水」の積りはないが、自分が
担当している仕事でもあるので、本当は記載しないのが「真っ当」なのかも知れません。しかし「社会の必要性」を考え、かつその為の「責任」も充分に背負う事を覚悟して 文章を続けてたい。
さて むしろ これからの時代に「必需」なるものとしての一つとしての
「メンタル・カウンセリング」や
「コーチング」は、
今後に予想される「社会・経済環境」の「厳しさ」や「混迷」に伴う<生き難さ><心の負担><個人の主体性の維持>そして<企業経営の維持・発展>等の為に、まさに人生の充実に貢献できるのではないか?と思い付いた。
例え 今回の販売の最前線の「テーマ」そのものが、他の分野(店舗販売)であっても「同時性」のテーマとして現存する事に、驚きと共に人間社会の
「深い連環」を感じた。
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